「目の前の一人に、集中したい。」


まさ・けし治療院では、施術中は電話に出ません。突然の訪問に対しても基本応対はしません。

なんか、不親切で、不便さを感じますよね。
なんなら、予約時間も前後の方がなるべく重ならないように、入れ替え制にしています。

どちらも理由は同じです。

目の前にいる一人に、集中したいから

以前、自分が施術を受ける側だった時です。施術の途中で先生が電話に出る為、何度か手を離したり。 その間、自分はしばらくベッドで待つこともありました。もちろん、電話が鳴れば応対する事情も分かります。 ただ、受けている側としては、
「ちょっと放っておかれたな」「あれっ?いつもより施術時間短くなってないか?損したのか?」という気持ちが残ったこともありました。

そして自分自身も、以前の職場では同じような状況を経験しています。
受付専門のスタッフがいるわけではないので、電話が鳴れば誰かが対応する。
予約の問い合わせなら、当然すぐには終わりません。
施術に戻ると時間が気になる。次の予約もある。 どうしても焦ります。
気が付くと自分が受ける側に感じた嫌な気持ちを、自分が与える側になっていたのです。

だから、自分の治療院ではやめようと思いました。ましてやひとり治療院ですから。

そしてもう一つ、入れ替え制です。

実は開院した頃から、入れ替え制だったわけではありません。早く来た方には待合室で待ってもらい、そのために雑誌を置いたり、院内導線を考えたりもしていました。

入れ替え制にするきっかけになったのは、コロナ禍でした。
できるだけ人と人の接触を減らそう、安心してもらいたい、そんな理由でした。
ところが続けてみると、自分にとって心地よい形になりました。


整骨院では何台かのベッドがカーテンで仕切られ、その向こうには別の方がいる。
当然、話し声も聞こえますし、 時には知り合い同士だったり、顔を合わせたくない人同士だったり。そんな状況を、正直めんどくさいなと思うこともありました。 
「1対1なら━」 と思うようにもなりました。

今は、一人の施術が終わったら、院内を整えて、次の方を迎えます。 その時間が自分自身の気持ちの切り替えと施術に向かう自分の手のリフレッシュの時間になっています。

「ここからは、この人との時間」 そんなスイッチが入る感じです。

他のお客さんがたくさん待っているほうが、治療院としては「繁盛している感じ」が出るのかもしれません。
でも自分にはこの今の形の方が合っています。

身体を触らせてもらう。鍼を扱う、お灸では火も使う。 そして何より、その方は自分の時間を使って、ここへ来てくれます。
身体を少しでも良くしたい。 明日から楽に過ごしたい。 旅行に元気に行きたい。試験を万全の状態で受けたい。などなど、理由は人それぞれ。 

一時間なら、その方の一日の中の一時間、少し大袈裟に言うと、その人の生きている時間の一部を預かっていると言えるのかなと思ったりもします。
だから、その時間くらいは、その人の身体とちゃんと向き合いたい。

そしてもう一つ、相手の為というより自分の為です。

自分の施術のリズムを乱すな

自分は、いくつものことを同時にこなせる、マルチタスクタイプではありません(笑) 途中で電話に出て施術に戻る。ましてや、それが営業電話だったりすると・・・ 正直イラッとします。 そんな小さな空気も、お客さんには伝わってしまいますからね。

自分ワガママかもしれませんね。 でもそのくらい人の身体を触ることって真剣に向き合わないといけないかなと思ってます。

だから、施術中は電話に出ません。院内も一人ずつの入れ替え制にしています。
お電話には、施術終わり次第、折り返します。少しだけお時間をください。

院内では、身体のことでも、困っていることでも、話したい事があれば、自分でよければ何でも話してください。もちろん、その話を自分から他の誰かに話すこともないので。
あっ、お金は困っていても貸せませんので、あしからず。

一人ずつ迎えて、一人ずつ向き合う。

今の自分には、この形が合っています。


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芥子まさゆき

まさ・けし治療院